2021/08/10 | 日々の出来事から感じてほしい | | by 松五小管理者 |
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東京オリンピックが閉会しました。直近では広島と長崎の原爆慰霊の式典のニュースも流れていました。第五小学校の図書館にも,「広島に原爆が落とされた日」という本があります。また,5年生教室の学級文庫には,長崎原爆の中で医師として活躍した「永井隆先生」の本があります。「オリンピック事典」という本も3年生の学級文庫にありました。日頃の出来事から学ぼうとすると,たくさんの手がかりが学校や町の図書館にあります。子どもたちに,そうした手がかりをたくさん提供していきたいと考えます。
さて,オリンピック閉会式では,聖火が消される直前,宮沢賢治さんの「星めぐりの歌」が歌われていました。ネットニュースでは,「つまらない閉会式。意味がわからない。世界に伝わらない」などと,マイナスなコメントが多いようです。私は,古関裕而さんの「東京オリンピックマーチ」と「星めぐりの歌」に感動していました。「星めぐりの歌」は,不器用に生きたい私が敬愛し,全ての映画作品を見ている俳優高倉健さんの最後の主演映画「あなたへ」の中で高倉健さんの妻役の田中裕子さんが歌っていた曲です。この映画のテーマは『人を想うこと。その切なさと感動』です。子どもたちの前で,オリンピックの悪口を言うよりは,「星めぐりの歌」の解説をする方が未来につながります。
「星めぐりの歌」 宮沢賢治作
赤い目玉のさそり 広げたわしの翼 青い目玉のこいぬ 光のへびのとぐろ
オリオンは高く歌い 露と霜とを落とす アンドロメダの雲は 魚の口の形
大熊の足を北に 五つ伸ばしたところ 小熊の額の上は 空のめぐりの目当て
※「赤い目玉のさそり」さそり座の赤い恒星アンタレスのこと。
※「広げた鷲の翼」 わし座のこと。わし座の1等星アルタイルは七夕の彦星。
※「青い目玉の子犬」 こいぬ座の1等星プロキオンのこと。
※「光のへびのとぐろ」へび座はとぐろを巻いていないので,へび座に属するM16わし星雲のこと。
※「露と霜とを落とす」オリオン座が見える夏が終わり,秋・冬になれば露と霜の季節。
※「魚の口の形」 アンドロメダ銀河の楕円形の形を池のコイがエサを食べようと水面で口を開けた時の様子に例えたと思われる。
※「大熊の足を北に~」おおぐま座の北斗七星から北極星(ポラリス)を探す様子。