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何気なくいっている言葉が、子どもたちを傷つけたり、混乱させたりしていることについて、気をつけてもらいたい意味を込めて書き記しました。
(追)このコーナーは、一週間に一度くらいのペースで若い先生方にメッセージを送りたいと考えております。今回は、スタートだったので連続して書かせていただきました。
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一発で子どもを駄目にしてしまうフレーズをキラー・フレーズといいます。
例えば、次のような言い方になります。
・まあ,君には無理だと思うが,とりあえずしてごらん。
・さっき始めたらもうやめたの。まったく続かないんだから。
・他の友だちの世話をしているんだったら,自分ことをしなさい。
・また,あなたがしたんでしょう。きっとそうだ。
・あなたは,本当にノロいんだから,さっさとしなさい。
・珍しい,宿題やってきたのね,雪など降らなければいいけど。
・あなたは、お姉さんほどじゃないわね。お姉さんはもっとできたよ。
教師の多くは「こんな言葉、私にはとても、とても言えない」と思っているのでしょうけど、実は、例示したものはすべて教師が発せられた言葉なのです(頻繁ではないですが…)。
キラー・フレーズは、子どもを駄目にしてしまうと同時に、子どもと教師の信頼関係も断ち切ってしまいます。信頼関係が崩壊した学級では、円滑な運営など期待できません。たった一言が取り返しのつかないことにならないように、細心の注意を払いたいものです。
もう一つ、気を付けたい話し方を紹介します。
教師は「ダブル・バインド(Double Bind)」(別名、二重拘束)とという話し方です。その話し方は、子どもたちを混乱に陥れてしまうことがままあります。
「ダブル・バインド」とは心理学用語で、その意味は、二つの相反する言動を一度に受けるということです。
具体の例を示します。
父親が子どもに「お前は男の子なんだから、外で元気に遊びなさい」と言います。
一方、母親は「外で遊んでばかりいて駄目でしょ。しっかり勉強しなければ、お父さんみたいになってしまうでしょ。」と切り返します。
子どもは、両親から相矛盾する内容を話しかけるられることで、誰の指示に従ったらよいか混乱しまうことになってしまいます。
これを「ダブル・バインド」といいます。
教師も知らないうちに,以下の例示のような「ダブル・バインド」を発している場合がある。
・みんなと相談しなさい。でも,一人で考えることも大切よね。
・時間がないので,ささっと感想書きなさい。でも,人に見せるのだから丁寧に書くのよ,分かった。
ダブル・バインド,これもまた,注意を払いたい話し方です。
