
「刺し言葉」とは,「でっ?」,「だから?」,「はーっ?」といった,会話を断ち切ってしまう言葉で,江戸時代の商人がタブーとしてきた言葉遣いです。
しかし,これが子どもたちの間では,結構使われています。
この言葉の裏には,相手をさげすんだり,そしったりする意味が込められており,不和のもとして嫌われた言葉です。
言葉遣いは,大人の影響が大です。
大人が,「でっ?」,「だから?」,「はーっ?」と言えば,いつしか子どもは,「でっ?」,「だから?」,「はーっ?」をオームのようにまねして繰り返します。
一人がまねをし始めれば,そう時間はかからない内に蔓延します。
このほかにも品のない言葉が,よく聞かれます。
「ださい」「むかつく」「かんけいねぇ」「とろい」「死ね」「やばい」「てめー」
また,「うるさい」「馬鹿野郎」「殴る」「殺す」といった乱暴な言葉遣いも聞かれます。
江戸商人たちは,これを「手斧(ちょうな)言葉」といい,「言ってはならない言葉の凶器」としていました。
手斧とは,木材を粗削りするための斧をさします。
今,刺し言葉と手斧言葉のどちらも,子どもたちは普通に使っています。
一般的な話になりますが、いじめの発生率が高い学級の一つに「言葉遣いが乱暴な学級」があげられます。
そう考えますと、日頃から子どもたちの言葉遣いには,もっと注意を払っていかなければならないと思います。
ご家庭でも声掛けの方をお願い致します。