これは教師においても当てはまる。
しかも,家庭訪問は教師と保護者が最も接近する場。その場で評価されないわけはない。
担任への評価次第で,家庭と学校の信頼関係が強固になればいいのだが,逆に,溝が深まったのではあとあとまで尾を引いてしまう。是非,信頼を勝ち得たいものである。その信頼を勝ち得えるための一つとして「家庭訪問べからず10箇条」を紹介する。参考にしていただきたい。
①予告した日時は必ず守る。訪問時間は長短なく公平に配分する。夕食時は必ず避けること。
②訪問期間中に,都合の悪い家庭以外は,全て訪問する。保養者や子どもに差別感を絶対与えないようにする。
③訪問態度には十分気をつける。清潔感のある,きちんとした服装,正しい言葉遣い等には十分留意する。
④他の家庭と比較することは厳に慎む。また,他の子どもを軽蔑したり,批判したりする言葉は絶対にいわない。
⑤担任からの一方通行的な話し方はしない。保護者の話に,じっくり誠意をもって対応すること。
⑥話題の中心は,常に子どもにある。決してほかにそれてはならない。児童理解のためにという「ねらい」を忘れてはならない。
⑦子どもや保護者がもっとも気にしている禁句は,絶対に口にしてはならない。知能や身体面について,学校で手がかかる等,教師が口にすべきことではない。
⑧面談に当たっては,謙虚な態度で望むことを忘れてはならない。子どもや親から学ぶことも多い。
⑨校内のこと,教職員の批判等は,厳に慎みたい。放言も信頼をなくす大きな原因となる。
⑩解決困難な問題は,結論を急いではならない。後日の訪問や個人面談等別の機会を通して回答したり,方策を話し合ったりする。
この中でも,④,⑨,⑩は要注意である。特に⑩,学校全体にかかわることで,判断に悩んだり,校長の許可が必要な場合は,勝手に「承諾」するようなことは絶対に慎むこと。
さらに,家庭訪問におけるチェックポイントも,何点か示すので参考にしていただきたい。
家庭訪問の際,このチェックポイントをすべて聞いてくるのではない。事前に聞きたい部分をチェックして,聞き逃すようなことがないようにしておくものである。使い方に誤解がないようにしてほしい。
まず一つ目,よく見てくるところ。
①通学路の危険箇所 ②遊び場の安全度と雰囲気 ③家の様子 ④家族の雰囲気や人柄
次に,よく聞いてくるところ。
①これまでの成長過程 ②現在の健康状態 ③家庭での勉強方法,習い事
④遊びの種類と友人関係 ⑤お小遣いの額と使い方 ⑥家庭での教育方針
⑦しつけに関する考え方 ⑧学校や担任への要望
担任から話すこととしては,まず学習面。
①学習態度,理解度 ②教科別の取り組み方 ③努力してほしい点 ④伸びている点
次に,身体・性格面。
①学習時の姿勢や発表 ②動作や行動 ③礼儀・作法 ④性格 ⑤交友関係