昔、河北新報の記事に載ったものです。
文は,村上 保という方です。
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目立ちたがりの赤とんぼがいました。
群れになって飛んでいても,逆方向に,飛んでみたりして,いつもみんなと反対のことをします。
ところがまた,それをすぐにまねするものもいて,大勢の中ではなかなか目立つことができません。
「なんでマネすんだよ。だから,お前たちは個性がないっていうんだよ」
目立ちたがりはいつもブツブツ文句を言ってきます。
「そんなに目立ちたいんだったら,我々の群れから離れて,違う色のトンボに入れば?」
ある日,別のトンボが目立ちたがりに,そう言いました。
目立ちたがりは,その言葉に,しばらく羽を動かすのも忘れるほどびっくりしました。
自分が個性的だと密かにうぬぼれていましたが,群れから離れるなどとは考えてもみなかったことだったからです。
「しょせん 私たちは赤とんぼなのだから…。」
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この詩から,いろいろ考えさせられます。
個性ってどういうことでしょうか。
集団ってどういうことでしょうか。
難しいですね。
