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◆教育長室から(若い教育者へ)


2021/07/29

教えるプロ

| by 教育長

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プロとはどういうものか、私見を述べてみました。
 これを踏まえて、プロを意識し、考えるきっかけになっていただければ幸いです。

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 プロとは,対価をもらって仕事をするのがプロ。そうでないのがアマチュア。そして,プロには,常に依頼と納期があります。これがプロの条件です。

   これを教師に当てはめてみます。
 教師も「教えるプロ」です。当然対価(給料)をもらっています。依頼主は保護者となります。依頼の内容は,保護者から私の子どもはこんな風に育ててほしいという申し出があります。納期は原則一年間です。一年後は,保護者のニーズに応えた結果を残さなければなりません。
    対価をもらっているだけに「やれませんでした」「できませんでした」ではすまされないと思います。

 もし,保護者のニーズに応えられなかったら,これは契約違反として給料(対価)返納,一般企業ならば解雇ということになるのではないでしょうか。それがプロのプロたる所以ではないでしょうか。

 しかし,一概に「教えるプロ」といっても,ピンからキリまであります。
    プロとしての教師を人間性と指導力の二つの観点から見ると,下の図のように4つに分類することができます。



    タイプAは,人間性も指導力も優れている教師。プロの中のプロといえます。
    タイプBは,指導力は低いが,人間的な魅力にあふれて
いる教師。
    タイプCは,人間的な魅力はないが,指導力がある教師。 
 タイプDは,人間的な魅力もないし,指導力もない教師。
 

 
 当然,人間性も指導力も優れている教師がベストでありますが,私が特にこだわりたいのは,教師の人間性の部分です。
   いくら指導技術が高くとも,人間的な魅力に欠け,子どもに好かれない教師では問題ではないでしょうか。なぜならば,子どもから信頼を得てこそ,初めて教育が成立するからです。

 一つ例を示をします。
 子どもが教師を信頼していない,そういう状態で,子どもに「説得」を試みたとしたらどうでしょう。残念ながら,嫌いな人間から言われたことは,すべて説教にしか聞こえないではないでしょうか。

 
 信頼がない場合,教師から言われたことから何かを学ぼうという姿勢などはどこにも生まれないような気がします。

    説得ひとつとっても,子どもと教師の間の信頼が欠落していれば,このようになるのではないでしょうか。

 
 タイプCとタイプDは説明不要の論外ですが、少なくとも,教えるプロとして認める範囲は,タイプBの教師までが許せる限界だと思いますがいかがでしょうか。

   ところで,自分が教えるプロにふさわしいかどうか,判断するにはどうしたらいいでしょうか。
   他人に聴く。それもいいですが,その前に,このような自己評価はどうでしょうか。

 
   ・もしあなたが上司なら,あなたの仕事ぶりを評価するだろうか。
 ・もしあなたが同僚なら,あなたを信頼してくれるだろうか。
    ・もしあなたが教員免許更新関係者なら、あなたの教員免許を喜んで更新してくれるだろうか。

 
   さて、ご自分の自己評価の結果は,どうだったでしょうか。
     教えるプロとしてやっていけそうでしょうか。


 


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