前頁の「親を切る」の続きになります。
「思いやり」という言葉をよく使いますが,これほど,その行為が分かりづらいものもないと思います。例えば,「思いやり」の行為だと思うものを言ってもらうと,すぐに詰まってしまいます。
それほど,「思いやり」の行為を口で説明するのは難しいものです。
しかし,この本「思いやりを科学する~向社会的行動の心理とスキル~ 菊地章夫著(川島書店)」に出会ってからはなるほどと理解できました。
この本では,「思いやりの行動」を次のようにとらえています。
①相手のためになるということ
②相手からのお礼を期待しないということ
③行動する際には,何らかの損を伴ということ(例えば時間)
④相手に対する親切が自発的に行えるということ
すなわち、この4つの条件を満たした行動が,「思いやり」の行動としてとらえています。
しかし、この条件は,大人に求めているのであって,子どもはもう少し低く抑えてあり,次のように示してあります。
①相手の顔が読める(相手が悲しんでいるのか,困っているのか)
②相手の立場に立てる
③相手と同じ気持ちになる
頭の片隅に入れておくと「思いやり」行為がより理解できると思います。
機会があれば,お子さんに教えてみてはいかがでしょうか。
