一発で子どもを駄目にしてしまう言葉をキラー・フレーズと言います。
例えば,次のように発せられた言葉などは,いい例です。
・まあ,無理だと思うけど,とりあえずしてごらん。
・さっき始めたのにもうやめたの。まったく根性がないんだから。
・他の友だちの世話をしているんだったら,自分ことをしなさい。
・また,あなたがしたんでしょう。きっとそうです。
・あなたは,お父さんそっくりだから,いつも同じ過ちを繰り返すのよね。
・珍しい,宿題やってきたのね,雪など降らなければいいけど。
・あなたも,お姉ちゃんみたいな性格だったり良かったのに。
・あなたも,少しは○○くんを見習いなさい。
・テスト90点とってきたの? やさしい問題だったんでしょう。
保護者の多くは「こんな言葉,私には,とてもとても言えない」と思っている方が多いかもしれませんが,しかし,自分の話しぶりや癖は,自分ではなかなか理解できないのが普通です。気をつけて聞いていると,結構,耳にします。
嘘のように思われるかもしれませんが,本当の話です。
キラー・フレーズは,子どもを駄目にしてしまうと同時に,子どもと親子の信頼関係も断ち切ってしまいます。
たった一言が,取り返しのつかない結果を招かないように,言葉を発するときは,細心の注意を払いたいものですね。
もう一つ,気を付けたい話し方を紹介します。
私たちは、時には「ダブル・バインド(Double Bind)」(別名,二重拘束)とという話し方です。その話し方をすると,子どもたちを混乱に陥れてしまうことがままあります。
「ダブル・バインド」とは心理学用語で,その意味は,二つの相反する言動を一度に受けるということです。
どういうことか,具体の例を示します。
父親が子どもに「お前は男の子なんだから,外で元気に遊びなさい」と言いいます。一方,母親は「外で遊んでばかりいて駄目でしょ。しっかり勉強しなければ,お父さんみたいになってしまうでしょ。」と言います。
あるいは、「時間がないので,さっさと宿題してしまいなさい。でも,先生に見せるのだから丁寧に書くのよ,分かった。」
子どもは,相矛盾する内容を話しかけるられることで,どの指示に指示に従ったらいいのか混乱しまうことがあります。
ダブル・バインド,これもまた,注意を払いたい話し方です。