ようこそ!あなたは34441人目の訪問者です。
 

◆教育長室から(震災関係)


2020/08/19

地震直後編(その2)

| by 教育長

*当時の様子を反映してか、荒々しい文章のところもありますが、ご理解いただきますようお願いいたします。

3 食料対策 
 
 批判覚悟で記述するが,3日間くらい食べ物を食べなくても人は死なない。
 しかし,水だけは必要である。その水が,水道管破裂で飲めない。今でこそ学校に水のペットボトルが備蓄されているが,当時はペットボトル1本なかった。水が有る無しは,生きる上で欠かせないものである。

4 睡眠対策  
 

 東日本大震災を経験して分かったことがある。人間が衰弱して行く大きな原因は,睡眠にある。食べ物がとれないときではない。寒さで眠れない。他人のペットがうるさくて眠れない。避難所がうるさくて眠れない。などなど。様々な事情で睡眠時間が削られていく。
 それに比例するかのように,人間は衰弱していく。特に,お年寄りや乳幼児がそうなってしまう確率が高い。
 これも批判覚悟で記述するが,3日間くらい食べ物を食べなくても人は死なない。
しかし,3日間寝なければ,確実に死につながる。

5 情報伝達       

 災害時は,特に,教育委員会との連絡は密になる。児童生徒の安否,避難者数,被害状況,食糧事情などなど,常に,報告を求められる。
 しかし,電話は使えない。携帯も使えない。津波で車も使えない。学校から十数キロ離れた教育委員会まで,徒歩また自転車で報告に走った先生方もいた。電話や携帯の代わりに,防災無線が支給されていた市町村もあったが「自分のところは大丈夫」ということで,誰一人使い方が分からなかった学校もあった。

6 マスコミ対応  

 時間が経過するごとにマスコミからの取材が多くなる。震災直後は,電話対応ではなく,面談による取材が行われる。多くの時間が費やされる。窓口を一つにしてないと誤った情報が流れてしまう。
 例えば,死亡者数。一度流れた情報は訂正がきかない。また「~と思う」というような個人の見解を述べない。個人のプラバシーにかかる情報の提供もノーグットである。マスコミは美談を求めたがる。それほど美談はない。


16:50 | 投票する | 投票数(1)