私たちの社会には、生まれたばかりの赤ちゃんからお年寄りまで住んでいます。その中には健康な人もいれば、障害をもった人もいて、一緒に生活を営んでいます。
それぞれの立場で、お互いに協力して助け合って行かなければなりません。しかし、ある特定の人を興味本位でからかってみたり、ジロジロ見たりする偏見が、子どもたちを包んでいることがままあります。
このような偏見は、年齢を重ねるごとに自然に改善をされるというものではありません。「三つ子の魂百まで」にならないためにも、早い段階で、誰かがどこかで意図的・計画的に教えてあげる必要があります。
例えば、次の運転標識です。
これらは車を運転する人なら、一度は見かけたことがあると思います。標識によっては、子どもでも「見たことがある」と言います。言いますけど、その実、大人でも子どもでも詳しくは知りません。しかし、この標識には、たくさん学ぶべき要素が詰まっています。
高齢者運転標識です。
①車に表示する年齢は何歳からですか。
②葉っぱの色が四色ですが、どの色を上にして表示しますか。
(逆さまに張っているのをよく見かけます。)
③このデザインは、何をイメージして作られた と思いますか。
④この運転標識にはある文字が隠れていますが 何だか分かりますか。
これだけ学習しただけでも見方が大きく変わり、高齢者をかなり意識するようになルのではないでしょうか。
高齢者運転標識の答えは、次の通りです。
①75歳以上は義務、70歳以上75歳未満は任意となっています。
②黄緑色を上にして表示しますか
③幸せの四つ葉のクローバーをイメージしています。
④シルバーのSの文字が中央に隠れています。
これも「高齢者運転標識」です。しかし、廃止されました。
若葉マークに対してもみじマークともいいます。また、涙にも見えることから、涙マークともいっていました。
なぜ廃止されてしまったのでしょうか。
この運転者標識は、「高齢者いじめ」と言われ批判されました。
もみじ標識を見て、「枯れ葉」「濡れ落ち葉」のようだという方もいました。
「濡れ落ち葉」とは、落ち葉を掃き集める債に、乾いた落ち葉なら簡単にすむのに、濡れている落ち葉は箒やちりとりに貼り付いて始末に困る…、つまり高齢者を始末に困る厄介者という捉え方も連想させてしまったようです。
この標識は、身体障害者標識といいます。
体が不自由であることが明記された運転免許証をもっている人が、車に表示するものです。
体が不自由な人が、利用できる建物や施設であることを示すマークです。
先の身体障害者標識のように表示する義務はありません。しかし、たまに付けている人を見かけますが、違反等いうことはありません。
「蝶々の蝶は、聴覚の聴」「羽の部分は、耳に似ている」「触覚はアンテナ」など。
これは耳が不自由であることが明記された運転免許証をもっている人が、車に表示するものです。
聴覚障害者標識といいます。
以上いかがでしたか。