ある親子の話です。
お母さんは,お仕事をもっていて,朝早く家を出て,夕方過ぎなければ帰宅できません。
子どもはまだ低学年です。
ですから,親子の対話などもなかなか思うにまかせない有様でした。
そこで考えついたのが,トイレでの交換日記です。
トイレは,1日のうちで最低1回はそれぞれ利用します。
そこに,自由にかける日記帳を置いたのです。
そして,何でもいいから,言いたいことを,思いついたことを書き記しました。
その一例を紹介します。
A子:昨日,◇◇さんとけんかしてしまったの。
◇◇さんが私のこと,のろまだって言うんだもの。
母 :あなたが,のろのろしているからじゃない?
明日は,◇◇さんと仲直りしなさい。
父 :「ごめんね」と言って仲直りするようにしなさい。
A子:お小遣い上げて。お願い。ね,お願い。
母 :当面考えていません。
残念ですが,あきらめてください。
父 :お父さんも上げてもらえません。
しゅん。
すれ違いになりがちなこの家庭の実情にあった苦肉の策ではありますが,ほのぼのとした暖かい親子の姿が感じはしないでしょうか。