心を肥やす。
江戸っ子は,「三つの心,六つの躾,九つの言葉,十二文,十五理(ことわり)で,末決まる」と言って,幼い頃から商人たちの子どもたちを段階的に指導をし,自分の心を常に豊かにするよう心掛けてきました。
今でいう全人教育(知識・技術に偏することなく,人間性を全面的に・調和的に発達させること目的とした教育)に当てはまるものかと思います。
「三つ心」とは,3歳までに心の豊かさを教えなさいということです。
「六つ躾」とは,6歳までに躾(挨拶や礼儀など)をしなさいということです。
「九つ言葉」とは,9歳までに世辞(挨拶に相手に配慮する言葉を付け加えること)が言えるようにしなさいということです。
「十二文」とは,12歳までに文章(挨拶状・礼状・詫び状等)を書けるようにしなさいということです。
「十五理」とは,15歳までに世の中の理,森羅万象を理解させなさいということです。
これが,しっかり身に付いていれば15歳で「元服」した時には,立派な大人になっているということであります。
6歳といえば,小学校1年生程度です。
9歳といえば,小学校4年生程度です。
江戸っ子に遅れをとらないように,本町でもしっかり教育を展開していきたいと思います。
