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◆教育長室から(教育関係)


2020/08/06

魚の取り方

| by 教育長



 中国の諺に,こんな話があります。
 
 ある男に魚を与えれば,その男はその魚を一回だけ食べることができる。だが,もし彼に,魚の捕り方を教えれば,彼は残りの一生の間,好きなだけ魚を食べることができるだろう。
 
 実に含蓄のある諺ではないしょうか。
 子どもたちを目の前にしたとき,私たちはとかく先走って世話を焼きたがります。子どもがほんとに何を求めているのか理解しないまま,必要以上面倒を見てしまいます。しかし,それが本当に子どものためになっているかと考えると,はなはだ疑問です。

 今の子どもたちの現状をこのように嘆いる方もおります。
       ・暖房きかせて 寒さがない
  ・冷房の中で 暑さがない
  ・おやつが過ぎて 空腹がない
  ・歩かないで 疲れがない
  ・おもちゃの与えすぎで 興味がない
  ・テレビの見過ぎで 考えがない
  ・何でもほいほい 我慢がない
  ・点数以外は 関心がない
  ・分かっているけれど 行わない
  ・これでは まともに育たない

 今,おいしい魚を与えるのは簡単です。子どももそのときは喜んで,それを食べてくれると思います。しかし,それをいつまでも続けられません。
 本当の愛情は,魚を与えることではなく,魚の捕り方を教えることにあると思いますが,皆さんはいかがでしょうか。
 
 有名なフランスの教育思想家であるルソー(1712~1778)も『子どもを不幸にする一番確実な方法は,それは何でも手に入れるようにしてあげることだ』と述べています。



 


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