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◆教育長室から(教育関係)


2020/07/10

父親の土下座

| by 教育長

*長い資料を二本掲載しました。週末、家族で考えてみていただくとありがたいです。

    
    
   この話は、ものすごくインパクトのある内容でしたので、もし、わたしの子どももそうであったならば、私もかくありたいと思い、文章を書き写したの今でも鮮明に覚えています。
  保護者の方は、どのような感想をおもちになられたでしょうか。

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    ある都内の本屋さんでは,中学生や高校生による万引きの被害が毎日のように起きていた。彼らの中には,発見して注意しても,「金を払えばいいんだろう」と凄むものまでもいた。
 
 ある日曜日の夕方,コミック本を五冊万引きした男子中学生二人を見つけたときも二人の態度は不遜そのものだった。「金ならあるよ。払えばいいんだろう。」と居直る始末。あまりの態度に,親と連絡を取りたいからと告げても,電話番号すら教えようとしない。店長に,「警察に行くか」といわれてしぶしぶ口を開いたものの,反省の色など全く見えない。
 
 あわててやってきた片方の少年の母親の態度もひどいものだった。いきなり少年の頬を殴り,カンカンに怒ったまま少年の手を引っ張って何も言わずに,店を出て行った。まるで,「私は厳しく育ててるんですよ」と周りに分からせるかのように…。
 
 大体がこのパターンか,「うちの子に限って…」といいながら,あくまでも我が子の非を認めようとしない親がとても多かった。
 
 しかし,この日の万引きのもう一人の親は,ちょっと様子が違った。 

 店長に「大変ご迷惑をおかけしました」と一言。その後,店内で頭を床にこすりつけんばかりに土下座をしたのである。その顔は涙でグショグショに濡れていた。この父親は一言も,息子を責めなかった。何かの間違いだとも言わなかった。息子を殴りもしなかった。ただ無言で土下座したのである。他のお客さんが見ている中での土下座。どれだけ,辛く情けなく,悲しかったことだろうか。
 しかし,そんな父親を見ている息子の目からは涙が止めどなく流れ落ちていた。

             
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