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◆教育長室から(震災関係)


2020/08/27

学校再開編(その1)

| by 教育長


 学校が再会した。まずしたことは,心のケアであった。

  

 1 心のケア

 子どもの心は大きく傷ついていた。身内が津波で流されて行くのを見た児童生徒はざらにいた。避難所に来るまで,たくさんの死体を見てきた児童生徒もいた。本県や他県から,専門的な知識を持った多数のカウンセラーに支援に当たった。ありがたかった。
 
 しかし,男性のカウンセラーには,女子生徒は心を開かなかった。反対に,女性のカウンセラーには,女子生徒も男子生徒も心を開いた。こんなところにも注意を払う必要あることを,あとで感じた。

   心のケアは,児童生徒ばかりではない。先生方も過度のストレスを貯めていた。自分の家も被災し,家族のことも気になる。幼い子がいればなおさらである。帰宅したくとも,帰宅できない。安否確認,避難所運営などの仕事を投げ出すことはできない。

 それだけに心のダメージは相当なものである。子どもたちのために,献身的な対応しても,なかなか汲み取ってもらえない。あまりにも気の毒なことだと思う。記憶にとどめてほしい,先生だって,児童生徒と同様に,温かく優しい心のケアが必要であることを。身内に甘いと言われるかもしれないが…。

 2 教科書・学用品

 教科書は津波に流された。地震で家の下敷きになった。教科書をなくした児童生徒は数知れない。書店で購入するような少しばかり量ではない。教育委員会の指示を仰ぎながら教科書の再発行の手続きをしなければならない。何名分の教科書が必要か,国語は何冊,算数は,社会は,音楽は,時間のかかる作業である。同様に,学生服,セーラー服,運動着,必要枚数,サイズ,これも手のかかる作業である。このような仕事は,表に出ないので,一般の方々は知るよしもない。

 学用品やランドセルは,物資支援という名のもと,大量に送られてくる。また,洋服や下着,中には,使用した下着も混じっている。そのにおいも半端でない。その中での仕分けも楽ではなかった。


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