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◆教育長室から(教育関係)


2020/11/27

教師の心得 ~説明~

| by 教育長



   私は人前で話をすることは、苦手としています。
 「冗談でしょう」と言われ、なかなか信じてもらえませんが、本当なのです。
   そのために、極力話を短く終わるように心がけています。
   特に気をつけているのが「Kissを上手に」というフレーズです。

   Kissとは,Keep It Simple Stupidの略で、「メッセージは常に簡潔に」といった意味を表します。
 これを頭の隅に置きながら、人前に立っています。
 

 さて、今回も教師向けに書いたものを掲載しました。
 常体で、キツいような印象を受けますが、そこはお許しください。
  もし、話し方で、悩んでいる人の参考になれば、幸いです。

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 授業を形作る上で最も重要な役割を果たすのが,「発問」「指示」「説明」の3つである。
 
 その内の「説明」を取り上げ,その際の配慮事項を述べてみる。
    まず一つ目は,説明は簡潔明瞭にすること。
 子どもへの説明は「Kissを上手に」と覚えておくとよい。

 Kissとは,Keep It Simple Stupidの略。
  「メッセージは常に簡潔に」といった意味。

 「つまり,それは,…です。だから,こういう場合は,…こうなります。これを簡単に言うと…△※#∞◇。」というような長い説明は,聞いてる方が具合が悪くなる。
 大人なら「もう勘弁して」と言いたくなるが,子どもたちは,じっと我慢の子。
 説明する人も罪の意識を感じ取り,長たらしい説明は「Kiss」でもって断ち切ってほしい。
 
 余談だが,リンカーン大統領の名演説。「人民の,人民による,人民のための…」は,時間にしてたった2分しか要していない。後世に名を残さなくてもいいから,子どもへの説明は,簡潔明瞭で「よく分かった」と言わせたいものである。
 
 二つ目は,説明は全員に向けて発すること。
  そのために,聞き方「あいうえ」のような約束はどうだろうか。
  「あ」:相手をしっかり見る。
  「い」:いい姿勢で聞く。
  「う」:うなずきながら聞く。
  「え」:鉛筆でメモを取りながら聞く。
  「お」:終わりまでしっかり聞く。

 これを徹底させると,聞く構えができ,手いたずらやよそ見はなくなり,集中して聞くようになる。説明は全員に向けて発するという所期の目的は達成する。
 
 三つ目は,説明の仕方を工夫すること。
   子どもの聞く構えができたなら,次は,説明の仕方を工夫することである。
 例えば,「1回しか説明しませんので,よく聞きましょう」のような言い方は,1回しか説明しないからしっかり聞かなくてはという気持ちに子どもたちをさせる。
 
 また,「3つお話しします。指を折りながら聞きましょう。」のような言い方は,先生は3つお話しするんだと先が見えて安心する。いつ終わるか分からないお話よりは,聞く側は不安はすくない。また,人間は,一度に3つ以上は記憶に留めることはできないということから,話を2~3点でまとめて説明するという手法は,大いに活用したい。
 
 最後は「メモを取りながら聞きましょう」というのはどうだろうか。私がよく行う手法である。もうこれは本当に集中して人の話を聞く。付加価値として,内容を要約するという力も向上する。
 
 四つ目は,説明する際の基本を守ること。
   これは説明だに限ったことではない。発問も,指示も同じことがいえる。まず,言語不明瞭,早口,声が小さいなどは,厳に諫めること。これは基本中の基本。
 
 それ以外で,特にこだわりたいのが声のイントーネーション。説明のスピードを変幻自在に操ったり,強調したい言葉をアクセントを加えてみたり,間を取ったりして,より説明を分かりやすくすることである。
 自分の意図を正しく伝えるためには,様々な工夫をしてみることが大切。是非気にかけて実践してみてほしい。

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 教師向けのコメントが面白いという方が結構いましたので、図に乗ってまた、掲載させていただきました。
  では、よい週末をお過ごしください。

(追)この前の3連休中には、なんと666名の方々に、読んでいただきました。
   あまりの数の多さに、大変なことになってきたと驚いている次第です。



 


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